【9、『みっちゃん』が来たよ。A】


さくら/椿/ ミスミ//もも

さくら
「ねぇ、何で鞄にコイツが着いてんの?」

ミスミ
「――あっ!」

さくら
「うぉぉっ、ど、どしたぁあ?!」

↑ちょっとビビって、声が裏返ってしまった。

ミスミ
「え、えと……その……それ、は……」

ミスミ
「ひ、拾った……んです……」

さくら
「ほんとに〜?盗んだんじゃないのぉ?」

ミスミ
「ちっ、違います!盗んでなんか……その……」

椿
「さ・く・ら〜、いじめたらいかんて言うたでしょー?」

さくら
「いじめてると?
あっしがいじめてる言うとですか、あんたは!」

ミスミ
(助かった……)

さくら
「どの辺が?!どの辺が『いじめ』っすか!?」

椿
「とにかく落ち着けや」

椿
「新しい子が来て、むしゃくしゃするのもわかるけどさ」

ミスミ
(この人……)

椿
「それじゃミスミがかわいそうやろ?」

さくら
「そ、そんなことないもん……っ!」

がばっ

ミスミ
「……ん?」

さくら
「この子が男か女か、気になってただけだも〜ん!

がばちょっ

ミスミ
「!!!」

さくら
「うわっほぅ〜!男だよぉ!」

椿
「…………さ・く・ら?

もも
「あちゃ〜……」

さくら
「……いたい……」

↑叩かれたらしい。

椿
「自業自得、だろ?」

ミスミ
「あ、ありがとうございます……その……」

ミスミ
「さっきから気になっていたんですけど……」

椿
「どうした?」

ミスミ
「あの子は貴方のことを『お兄ちゃん』と呼んでますけど、
女の人じゃ――」

椿
「…………」

椿
「考えすぎると、背が伸びないぞ?」

ミスミ
「え……あ、はい……すみません……」

椿
「謝らんでもええって、
まあ、これから追々知っていけばいいし、。」

ミスミ
(聞いてはいけなかったのでしょうか、性別……)

すっ……

さくら
「あたしはね、『さくら』っていうんだよ」

ミスミ
「え……」

さくら
「えとね、みっちゃん……のお姉さんってことで、よろしく」

ミスミ
「あ、はい……よろしく……お願いします……」

『みっちゃん』こと、ミスミの登場です。
椿に続いて男の子とは思えない顔つきですが、 成長過程のふんわりした少年?のつもりです……。

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